2012年7月23日月曜日

ミレニアム2 火と戯れる女 上巻・下巻(早川書房)

著者:スティーグ・ラーソン 出版社:早川書房 発行年:2011年(文庫本) 本体価格:880円(文庫本)
 文庫本初版発行が2011年11月15日で書店で購入したのが2012年6月25日発行第21刷。7ヶ月で21刷ってすごすぎ…。ハリウッドで映画化された「ドラゴン・タトゥーの女」」ではルーニー・マーラーが演じていたリスベット・サランデルが印象的だったが、このシリーズ第2作ではリスベットが主役となって、人身売買と強制売春組織に立ち向かうジャーナリストとスパイの暗い歴史に切り込んでいく。パソコンとバイクを使いこなす「異形」の探偵という役回りで、「物語」としては実はこの上巻・下巻では未完結に近いまま。それでも「あ~読んだ~」という充足感にひたれるのが不可思議なミステリーだ。登場人物たちがいずれも「限定合理的」というか、必ずしもベストな意思決定をしない(できない)せいもあって、ただでさえも鬱蒼としたリスベットの人生がページをめくるたびにさらに陰鬱な様相を呈してくる。救いが見えそうでぜんぜん見えない鬱蒼感がこの小説の魅力か。ああ、第1作に続いて早くこの第2作もハリウッドで映画化されないものか。

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