2009年11月9日月曜日

アイデアのつくり方(TBSブリタニカ)

著者:ジェームス・W・ヤング 出版社:TBSブリタニカ 発行年:1988年 評価:☆☆☆☆☆
 いわゆる古典的名著とされているこの本。実はブックオフで400円で入手できたのだがさっそくセロテープで補強して、耐久性を高め、これから何度も読み返す本として位置づけた。既存の要素をいかに組み合わせるか、そしてその関連性をどう見抜いていくべきかといった方法論が具体的に述べられており、その手法としてカード索引法が紹介されている。一つの事柄を一つのカードにまとめて、最終的には一つのファイルボックスになっていくというこのやり方は、梅沢忠夫氏の「発想法」やKJ法にも通じるものがあるが、資料集めのあとに「関係」を見抜く方法そして音楽や映画で発想をいったん別の方向に転じてみることなど、天才であれば必要ないであろうが凡人であればきっと必要になるノウハウがぎゅっと凝縮されている。世界を組みなおしてみてみるという作業はオリジナリティがもともとある人にとってはきわめて手続き論的な作業かもしれないが、実は90パーセント近くの凡人にとってはそれだけで世界が新しく見える効果もある。わずか102ページの本ながら中身はきわめて実践可能性と示唆に富んだ名著。

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