2009年11月22日日曜日

新型インフルエンザの基礎知識(マガジンハウス)

著者:池上彰 出版社:マガジンハウス 発行年:2009年
 この池上彰氏の45分でわかるシリーズは非常にわかりやすくていい本ばかりだと思うが、A5判で96ページで定価840円というのはちょっと高いというのが印象。しかも4ページの倍数にできなかったためか、87ページ目シロ、88~89ページは相談窓口の案内、90ページと91ページは奥付、92~94ページは広告で95ページと96ページは再びシロ。要するに内容著述は、6ページ目から86ページ目までの81ページ分のみ。もう少し広告のページを別のデータ提供にあてるとか、あるいはシロのページを減らすとかいった本作りはできなかったものか。日本で長崎から始まったといわれているインフルエンザなど歴史的な話もでてくるし、Hで細胞に入ってNで出るといった面白い話もあるので、年表を掲載するとか写真を載せるとかなんというか…。ただこうしたやや「割高感」がある本であっても、内容面は非常に面白くRNAだとDNAにはない訂正機能が働かずにコピーミスが発生するといったわかりやすい説明はやはりこの著者一流の「わかりやすさ」。ただ購買意欲をさらに消費者に訴えるためには、「45分でわかる」というサブタイトル以外に情報提供機能ももっと充実させるべきだっただだろう。これは編集サイドの問題ではないかと思う。
 いたずらに「新型インフルエンザ」を恐れているだけでなく、感染ルートやその発生の理由までさかのぼってみると、おそらく当初の「印象」よりはおそれるに足らない、ただし対策はやはり必要という事実を知ることができる。11月からさらに来年2月までは気温が下がる時期。こうした本で知識を身につけておくのも必要ではないかと思う。

0 件のコメント: