2009年11月28日土曜日

小倉昌男 経営学(日経BP社)

著者:小倉昌男 出版社:日経BP 発行年:1999年 評価:☆☆☆☆☆
 宅配便(宅急便)の創始者として名高い小倉昌男氏の名著。現在では信じがたいことだが小口運送はあまりビジネスとして成功する余地はなく、大手百貨店やメーカーの宅配もしくは小口運送をするのがもっとも安定したビジネスだと信じられている時期があった。それを大手百貨店やメーカーとの取引も解消して、小口運送のネットワーク作りをふまえた上で小口運送向けのシステムを作り出し、社会的倫理や責任についてすでに独自の哲学をヤマト運輸にしみこませていった。今でも宅配便サービスを提供している会社は数社あるが、もっとも安定して信頼できるのはヤマト運輸ではないかと思う。
 「経営の真髄は需要を作り出すことにある」という言葉が非常に役に立つ。すでに潜在的に消費者ニーズは昔から存在していたものの実際にそれを商社に呈示でいたのはヤマトだけだった。
 そうした物流活動の原点がこの本で明らかにされていく。

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