2009年11月9日月曜日

あたりまえのことをバカになってちゃんとやる(サンマーク出版)

著者:小宮一慶 出版社:サンマーク出版 2009年 評価:☆☆☆☆☆
 経営・ビジネス関連書籍はやまほど出版されており、そのすべてを読むことは当然できない。が、著者で選択するということであればまずこの小宮一慶氏の一連の著作物はまず「買い」だ。日本経済新聞の読み方や一つの事象の観察から多くを類推するという手法は職種がなんであれ有効な方法ではないかと考えるからだし、なによりも著者自身が癌を克服したばかりで「死」を見据えながらビジネスを考えているという真摯な態度で執筆に臨まれているからだ。「死」を前にしてなすべきこと…をビジネスの場面で考えるとこうなるのか、という働き盛りのビジネスパーソンには参考になる著述が多いことだろう。
 運やチャンスだけではなくそれを捕まえる準備をしておくべき、あるいは、小さなことを徹底して大きなことを徹底していくという基本の中の基本。ただし一定の年齢を過ぎると、人間はだれしも小さなことをおろそかにしていく傾向がどうしても出てくる。初心に帰っていくためにはやはりこうした「あたりまえのこと」が何でそれをちゃんとやるというのはどういうことなのか、といった生活の基本部分に立ち返る必要性があるだろう。ちなみに自分勝手な人は失敗するというのはきわめて明快に説明されており、「そんな人は皆から嫌われるから」。考えてみれば当たり前で、自己中心的な人にいつまでも他人はつきあってくれないのは、小学校時代から常にあてはまる人間関係の真実。ことさらに難しく考えるべきではなく、素直に考えれば居丈高な態度や感情が不安定な人には他者に与えるメリットがないのだからいずれ他者から見捨てられていくという当然の結論に…。

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