2012年9月11日火曜日

NPOという生き方(PHP研究所)

著者:島田恒 出版社:PHP研究所 発行年:2005年 本体価格:720円
 「業務」(?)の関係でやむなく読み始めた本だが、これが意外に面白い。現在ややNPOは過大評価されすぎており、資金情報やマネジメント情報の開示が株式会社ほど進んでいない。ルーマニアへの留学生を派遣した某団体についてもその杜撰さとマスコミ対応の不足が指摘されているが、法定義務があまり課されていない分だけ問題点は内在していると思われる。それでもなお、行政と営利団体ではカバーしきれない部分をNPOが埋めつつある状況は確かにある。
 また数々のスキャンダルや内紛をまきおこながらも、この本ではドラッカーのマネジメント理論やマーケティング理論の重要さもといており、今後NPO法人がさらに進化していくときに多いに参考になるだろう。
 そしてこの本、いわゆるアメリカ文明論や都市文化論にもつながる論点や災害時のボランティア団体の在り方などにも言及されており、NPOというテーマに限定されない知識を得ることができる。会社法や商法だけでは、どうしても営利社団法人の理解だけにとどまるが、非営利法人の組織のあり方を読むことによって、会社法の理解もまた深まるように思う。

0 件のコメント: