著者:マネー・ヘッタ・チャン 出版社:幻冬舎 発行年:2012年(文庫本) 本体価格:495円(文庫本)
中国で反日デモが発生し、日本企業の店舗や工場、商品が破壊された。で、カントリーリスクのある地域に出店する企業は多額の損害保険をかけている。今回のデモの損害は損害保険会社が保険金で補填するが、1つの損害保険会社が1つの企業の損害を填補するケースは少ないだろう。おそらく日本の損害保険会社は世界中の別の損害保険会社に自分の会社が保険金を支払ったときの「保険」(再保険)を分散してかけているはずだ(元の損害保険契約で払い込まれた保険料のうちさらに一部を再保険をかけた損害保険会社に分散して納付する)。さらに再保険を受けた損害保険会社は国内外の損害保険会社に再保険をかけ…。と国際金融の世界は投資リスクを分散している。日本企業が中国でこうむった損害をもしかすると分散された結果、中国の損害保険会社が一部負担していることも考えられる。
で、投資にあたっては分散が原則ではあるが、そうした原理原則で仮想現実を構築してしまうと思わぬ方向へ人生がころがっていく…というのをこの本は描いてくれている。面白い。
統計学上は物事は正規分布を描いて発生するが現実は「べき乗分布」を描くことがある。リスク分散を図ったはずのリーマン・ブラザースは統計学上ありえない住宅抵当證券の暴落に直面して破綻した。これは個人でも同様で、第1話から第11話までがだいたい「まさかね…でもありうるね」的なエピソードばかり。「うまい話には必ず裏がある」っていう心構えがおそらく現実の世界に一番妥当な教訓で、「確率的に…統計的に…」という話はかなりの部分眉唾であることが多い、とはいえそうだ。
中国で反日デモが発生し、日本企業の店舗や工場、商品が破壊された。で、カントリーリスクのある地域に出店する企業は多額の損害保険をかけている。今回のデモの損害は損害保険会社が保険金で補填するが、1つの損害保険会社が1つの企業の損害を填補するケースは少ないだろう。おそらく日本の損害保険会社は世界中の別の損害保険会社に自分の会社が保険金を支払ったときの「保険」(再保険)を分散してかけているはずだ(元の損害保険契約で払い込まれた保険料のうちさらに一部を再保険をかけた損害保険会社に分散して納付する)。さらに再保険を受けた損害保険会社は国内外の損害保険会社に再保険をかけ…。と国際金融の世界は投資リスクを分散している。日本企業が中国でこうむった損害をもしかすると分散された結果、中国の損害保険会社が一部負担していることも考えられる。
で、投資にあたっては分散が原則ではあるが、そうした原理原則で仮想現実を構築してしまうと思わぬ方向へ人生がころがっていく…というのをこの本は描いてくれている。面白い。
統計学上は物事は正規分布を描いて発生するが現実は「べき乗分布」を描くことがある。リスク分散を図ったはずのリーマン・ブラザースは統計学上ありえない住宅抵当證券の暴落に直面して破綻した。これは個人でも同様で、第1話から第11話までがだいたい「まさかね…でもありうるね」的なエピソードばかり。「うまい話には必ず裏がある」っていう心構えがおそらく現実の世界に一番妥当な教訓で、「確率的に…統計的に…」という話はかなりの部分眉唾であることが多い、とはいえそうだ。
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