2012年9月13日木曜日

イラン人は面白すぎる!(光文社)

著者:エマミ・シュン・サラミ 出版社:光文社 発行年:2012年 本体価格:760円
 イラン人の日常生活とシーア派とスンニー派のなんというか根強い対立みたいなものを感じる一冊。日本にきた著者がとんかつ食べたり、モツを食べたりといった著述やブラックジョークが非常に面白い。ただやはりイランに対する愛国心が強い分だけアラブ諸国には辛口になる部分も。
 かなり厳しい戒律で知られるイスラム教だが、そこはやはり蛇の道はヘビで、逃げ道もちゃんとあることなど、固い本では紹介されないエピソードが興味深い。40歳以下の国民が70%という比率や、ホメイニによる革命後とその前との対比など、やはり実際にそこで暮らしていた人間でないと感じ取ることができない内容である。イラン独自の学校制度も面白いし王侯貴族の師弟が優遇されている状況など、これからの近代化に疑問符がつくところもあるが、これから西欧の長所をとりいれながら独自の発展をとげれば、人口比率が若い分だけイランの未来は明るいかもしれない。200ページに地図が示されているが、レバノンがシーア派というのは初めてこの本で知った。オスマントルコやモンゴルの支配などをどんどんさかのぼっていくと、やはりペルシア帝国の伝統を引き継ぐのがこのイラン。親日家も多いというし、読んでてすごく楽しい。

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