2012年9月17日月曜日

知の編集工学(朝日新聞出版)

著者:松岡正剛 出版社:朝日新聞出版 発行年:2001年 本体価格:640円
 本を読むときには3色コレト(またはボールペン)か、付箋を必ず用意する。色はあまり気にせず気になったところに線をひいたり付箋をつけたりするためで、これは2回目に読むときに重要なところだけ読み返すためにつける。この本は最初から付箋をつけまくりで読み終わったあとはほとんど前ページに付箋がたってしまった。
 編集業にたずさわる人間に限定されず、「編集的なもの」(工学分野や企画部門やら)にも応用可能な内容で構成されており、書籍を作る…というだけでなく、なんらかの商品開発やらイベントをおこなうさいにも「編集力」は活かせる。逆に言うと狭い意味での「編集」ではなく、かなり幅広く「編集」という作業(考え)を普遍している。編集技法については64に著者が図解してくれており(204ページ)、なにか作業工程でいきづまったときにはこの図表であれこれ個別の場面で発想を外延していくことが可能。つまり1冊を1回読み終わるだけではなく、仕事のかたわらで「辞書的」に活用することができる内容にもなっている。コンピュータや脳科学などにも著者の思考が及び、読み終わるのは非常に大変な本だが、returnは通常の編集技法の数倍見込める。

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