2012年9月17日月曜日

電子マネーがわかる(日本経済新聞出版社)

著者:岡田仁志 出版社:日本経済新聞出版 発行年:2008年 本体価格:830円
 実物の貨幣から電子マネーへ…という時代をざっくり説明してくれる新書。日本銀行もマネーストックを分析するさいに電子マネーやポイントカードなどを考慮せざるをえない時代に入り、日常的に自分もセブンイレブンでnanacoを使用している。では、その仕組みや歴史はどうか、というといつのまにか、あまりにも自然に日常生活に電子マネーが入ってきたため、その具体的な分析をしてくれている本は少ない(電子マネーという言葉自体は一人歩きであちこちの流通関係の書籍やビジネス書籍で使用されているが)。この本では、日本の電子マネーが交通関係から始まり、流通系に拡大していった歴史と世界の電子マネーについても説明をしてくれている。またICカード型電子マネーのほかに、ややわかりにくいネットワーク型電子マネーについてもわかりやすく説明してくれている。インターネットのウィキペディアでも用語の解説自体は入手できるが具体例と解説のわかりやすさでいえば、やはり書籍の情報のほうが圧倒的な差で有利な時代だ。今後の標準化の国際的動向や電子マネー法をめぐる議論なども最終章に掲載されているので、この本1冊で電子マネーの概観は把握できる。

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