2012年4月3日火曜日

続岳物語(集英社)

著者:椎名誠 出版社:集英社 発行年:1989年 本体価格:467円
 著者の椎名誠さんは独特の編集スタンスをもつ「週刊金曜日」の編集委員をされている。参加しているメンバーをみると「ちょっと系統が違うのでは」という違和感みたいなものも感じるが、「立場を超えて本名で勝負」みたいな心意気はわからなくもない。この本のなかである雑誌に根拠がないゴシップをかかれた経緯が著述されている。名前を名乗らない匿名ライターに椎名は不快感を隠そうとしないが、「心意気」の有無が問題であって政治的スタンスなど本人にはどうでもよいのだろう。
 全編を通してひたすら刺身、カレー、ラーメンの話がてんこもりだが、この本読んでいると「カレー食べたいな」「ラーメン食べたいな」と食欲がそそられてくる。教育的内容の本みたいな位置づけもされているが、私個人にとっては「B級グルメを自らこさえて自ら食べたくなる本」。出来合いのラーメンではなくして、生姜をどさっといれたインスタントラーメンをわさわさ食べたくなるような描写が多く、海のそばでコッヘルで食べるそうしたラーメンはさぞかしおいしかろう。ラストは岳が中学校へ入学するところでおわる。うん。節目って確かにあるんだ。

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