2012年4月24日火曜日

100億稼ぐ仕事術(ソフトバンクパブリッシング)

著者:堀江貴文 出版社:ソフトバンクパブリッシング 発行年:2005年 本体価格:657円
 7~8年前にはこの文庫本は書店でワゴンに平積みされていた。郵政民営化か否かという総選挙では、広島の選挙区で亀井静香氏と一騎打ちも演じたが、その後金融商品取引法違反で検察庁特捜部に逮捕。現在は「刑務所なう」が平積みされているという生命力の強さ、だ。
 当時のライブドアの金融商品取引法違反については、確かに粉飾決算ではあるのだが、本来は資本取引による純資産に計上すべき項目を売上高に加えていた…ということで会社の中に現金もしくは現金同等物が存在しなかったわけではない。投資家をミスリーディングするような行為があったのは事実だが、キャッシュがないものをあるように偽装したわけではないのがこの方らしいといえばこの方らしい。タイトルは「いかにも」という感じだが、内容は商売に徹しきったきわめてオーソドックスな内容で、キワモノではけっしてない。なにかしらの目標があってそこに向けてエネルギーを傾けるという点では非凡なものがあると感じた。ITの活用については2005年当時の状況を反映してメールリストの活用などクラウドが出現する前のもの。といって、デジタルで記録やメモをとるという発想は、それほど古びてはいない。パフォーマンスがともすれば先行しがちな方ではあるが、この生命力の強さはひょっとすると5年後10年後に別のかたちでまた世間の脚光をあびるのかも…と思わせるものがある。「模倣からオリジナリティへ」と説く内容は、「刑務所なう」の発行で「実践」にうつされてきたようだ。

0 件のコメント: