2010年2月21日日曜日

お金の才能(かんき出版)

著者:午堂登紀雄 出版社:かんき出版 発行年:2009年 本体価格:1400円
 マルチプル・インカムという発想が面白い。リスクの分散があるのであればインカムの方法もマルチプル(多様化)するという発想。著者の場合にはこれが不動産投資になっていくわけだが、確定申告を普通徴収にして、あまり派手なことさえしなければ、たぶん普通のビジネスパーソンでもマルチプル・インカムは可能だろう。ただエネルギーが分散されるため本業に影響がでないようなマルチプル・インカムでないと意味がないが。いろいろなノウハウが紹介されているが、それはそれとして一番興味深かったのは自分自身の持論でもある「最大の投資は自己投資」という考え方を著者自身も強調していること。また働くことと遊ぶことをまったく別のものとして区分けをして、社会とのかかわり、人とのかかわりを重視した仕事というものをまた遊びとは違った側面で捕らえなおすという作業を薦めていること。どうしても仕事と遊びは二元対立でとらえられやすいが、実際にはそうでもない。働いている時間帯が遊びの時間帯以上に濃密で楽しいなんていうこと、けっこうある。野球のシーズンオフの例が引き合いにだされているがあまりマスコミなどで放映されない自主練習やキャンプでのすごし方がシーズンを決めるという考え方も大好きな考え方。努力のほとんどは人の目にみえないところで行われいて、孤独な作業というのはどうも普遍的な事実のようだ。
 やや不動産投資に甘い部分があり、賃借人の管理や設備の管理など必ずしも楽なことばかりではないような気もするのだが、それはそれ。自分にとって取り入れられる部分のみを取り入れるというのがおそらくこうしたビジネス本のビジネス本足りうるゆえんだろう。

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