2010年2月28日日曜日

フーゾク 儲けと遊びの裏事情(KKベストセラーズ)

著者:吉原遊太郎 出版社:KKベストセラーズ 発行年:2009年 本体価格:600円
 最近ビジネス書籍にも進出してきた無店舗型特殊営業の「デリヘル」
という形態。合法的な設立は1999年の風俗営業法改正からとなる。市場規模は約2兆4千億円ともいわれている。店舗型営業の場合には飲食店であれなんであれ、テナント料から敷金、賃借料など毎月かなりの固定費が発生するが、無店舗型だと事務所と待機室さえ確保できれば、あとは特に部屋の構造にこだわりを持つ必要性がない。事務所用と住居用とでは事務所用のほうが賃借料が高いが(多数の人間が使用するため敷金も賃借料も高めになるという事情があると想定される)、普通のマンションの一室を事務所兼マンションにして、後は電話と自動車を確保すれば営業はなんとか開始できる。あとはITにどれだけ投資できるか、というITとの関連性が重要になってくる。メールやウェブなどでマメに宣伝に時間と人、コストをかけられる店舗が生き残れ、そうでないお店はネットでは検索不可能ということで実際には存在しないのと同じという現象。そう、google八分という状況がこの業界では発生する。この本の著者だと初期投資が約500万円という試算になっているが、ウェブコンテンツのまめな更新にはそれなりのスタッフやコンテンツが必要。個人のホムペやブログとは違う…という点を経営者がどれだけ理解しているかで、集客力に差がでてくるようだ。「この世界は人間業」という経営者の言葉が紹介されているが、人間が資本だけにドライバーから電話番から、女性まですべての人間の管理をどれだけできるかがポイントになるようだ。でもそれって普通の事業会社と変わらない…だからそのノウハウがビジネス書籍になる…という流れになるのだろう。読んでいると経営学の「実践版」といった趣すら漂ってくる。業種、業態、ニーズの把握。どれもマーケティングの基本だが、マーケティングの知識と「人間管理」のバランスをどこまでとれるかがポイントのようだ。面白い。

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