2010年2月14日日曜日

スパークする思考(角川書店)

著者:内田和成 出版社:角川書店 発行年:2008年 本体価格:705円
 「異業種競争戦略」を読んでいたく感銘を受けたが、その原点をこの新書にみる思いがする。異なる事業構造をもつ企業がバトルを繰り広げるというアイデアもしくはものの見方はけっこうアナログな手法でスパークしたようだ。電車の中吊りや切抜きなども著者は重視するが、パソコンなどのデジタルツールよりも頭の中などにいかに「情報を刻むか」という点に力点を置いている。実際、自分自身もパソコンの「お気に入り」やコピーは機械的な作業には向いているとは思うが、何か新しいものを作るときにはプリントアウトしたものを糊で切り貼りしていったほうが、効率的ではないかと考える。機械的な作業はデジタルで、なにか新しいものをつくるときにはアナログでというのが正しい使い分けといえようか。「ハイ・コンセプト」などの著作物ではこれから美術的な才能や芸術的な才能が重視される時代になるとされているが、この本の内容と「ハイ・コンセプト」はリンクしているように思える。もれなく完全に選択肢をそろえてから意思決定をするというコンサルタントの手法はやはり「限界がある」か凡人には不可能なワザなので、情報のインデクシングと、アナログな情報の「整理」だけで十分に日常生活は生きていける。完全主義の人には特にオススメの内容ではないかと思う。

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