2010年2月13日土曜日

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(ダイヤモンド社)

著者:岩崎夏海 出版社:ダイヤモンド社 発行年:2009年 本体価格:1600円 評価:☆☆☆☆
 「萌え」系キャラを使用した本はこれまでにもなかったわけではない。「漫画でわかる高等数学」っぽい本もあったが、イメージ先行で内容はきわめて無味乾燥な数学の説明だったりした。要は「ストーリー」がなかったので、難しい内容をそのまま難しく漫画で説明しただけだった。が、この本ではしっかりしたストーリーとエンターテイメントが盛り込まれており、さらにドラッカーの定義をそのまま引用して弱小野球部に応用。「顧客」の定義から「マネジメント」の定義まで物語が付着しているので楽しく読めてしかもドラッカーの文章をリアルに体感できる。エンターテイメントとしても読めるし、無味乾燥な経営学の本を面白く読める工夫もなされている。「萌え」が強すぎてレジで買いにくいというケースも想定されるが、いやいや、これはドラッカーのファンならずとも「マーケティング」戦略を実地にいった本として長く記憶されるべき本だろう。まず「面白い」というのがなによりだ。そこそこ進学校でそこそこ悪い子もいるという受け入れやすい設定がまた面白い。

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