2010年2月13日土曜日

家計破綻に勝つ!(学習研究社)

著者:萩原博子 出版社:学習研究社 発行年:2008年 本体価格:700円
 経済評論家の萩原さんの本はわりと自分の考え方とよく合うので、なにか新刊もしくは既刊の本でも未読のものはなるべく読むようにしている。個人的には合理的と考えていた医療保険の加入についても萩原さんの本を読んでからちょっと慎重に考えるようになった。大数の法則があるので大半の人にとっては保険は、まあ無用の金融商品であることには違いないのだが、医療保険だけは医療費の負担を考えると入っておいたほうがいいのかな…と思っていた。が、高額医療補助制度という公的なシステムの活用があるのであれば、医療保険にそれほどかりかりする必要性もなさそうだ。この本の最終的な結論は実は「価値観」の確立ということになる。具体的な話はもちろんあれこれ親切に説明してくれているのだが、10年スパン、20年スパンで物事を考えていくことで最終的にはどんなライフスタイルを目指すのかといった価値観の問題にいきつくことを著者は教えてくれている。「家計破綻」はなるべくしないほうがいいが、それでもそういうライフスタイルを志向する人に対してはそれは尊重するというのが、著者の思想ではあるまいか。現状認識と目標がはっきりしていれば途中経過は省略できるし掘り下げることもできる。単なるファイナンシングの話ではなく、生き方の問題も考えさてくれる。

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