2010年7月12日月曜日

情念戦争(集英社インターナショナル)

著者:鹿島茂 出版社:集英社インターナショナル 発行年:2003年 本体価格:2800円 評価:☆☆☆☆☆
 陰謀情念のジョセフ・フーシュ、移り気情念のタレーラン、熱狂情念のbナポレオン。この3つの情念の交錯を軸として、フランス革命からワーテルローの戦いまでのフランスを切り取る。フランスの歴史を再構成して浮かび上がったのが、この3人というわけだが、幾たびもの危機を乗り越えてこの多難な時代を生き抜き、ヨーロッパ全体に影響を与えた3人であることには間違いない。メッテルニヒ(オーストリア)やアレクサンドル1世(ロシア)、マリー・ルイーズ、ルイ18世、オルレアン公などはやはり脇役になってしまう。すでに膨大な書籍がこの時代について書かれているが、それを参考としつつも「情念」という一面で切り取り、再編成した鹿島茂氏の手腕は見事。文庫本でもこの作品は読めるが、かなりぶあつい書籍なので単行本で読むのがベストだろう。サイケな感じのカバーも面白い。ヨーロッパの大陸封鎖などナポレオンのとった政策の細かな実態も調べ上げて描かれているので、受験生にも役立つ部分が大きいだろう。社会人にとっては10年、20年スパンで自分の人生を見ていくのにはかなりいい歴史参考書となるはずだ。

4 件のコメント:

ルシアン さんのコメント...

ごとりんさん こんばんは~

お元気でいらっしゃいますか?

相変わらず本を読んでいらっしゃいますね♪
「情念戦争」面白そうですね。
歴史は夜作られるというか・・・そういった情念ではないのでしょうか?(笑)

暑い日が続いております。
ご自愛くださいね~

gie さんのコメント...

>ルシアンさん こんばんは====いやいや激動の2009年を乗り越えるて現在もまたがんばっています。「情念戦争」は講談社学術文庫から「ナポレオン、フーシェ、タレーラン」という別タイトルでも入手できますがこの単行本のほうが読みやすいですよ。「歴史は夜作られる」…のはタレーランで、フーシェは…一種独特の天才ですね…。ナポレオンがこの二人を「大臣」にしたのはそれだけこの二人が優秀だった、ということなんでしょうけれど…。事実は小説よりも奇なりという感じがします。

ルシアン さんのコメント...

ごとりんさん こんにちは

ごとりんルームのBBSが見当たらない?のでこちらに書かせていただきますね~。

激動の2009年はワタクシも同じくでした(笑)職場環境が激変し、とんでもないことになりましたが、何とか生きております(爆)

サイトも放置したり狂ったように?更新したりパラノイアが更に酷くなっているように思います(滝汗)

さて、「情念戦争」ですが・・・ワタクシはバッグにポンと入る本が好きなので、文庫本で探してみようと思います。

またごとりんさんとおしゃべりさせていただきにお邪魔しますね~ (因みに得意の職場カキコです 爆)

gie さんのコメント...

>ルシアンさん こんばんは。
 BBSはいったん閉じてしまいました…(ちょっと宣伝広告カキコとの戦いに疲れ…)。サイトは昨年5月ゴロにやや1ヶ月ほど停滞しましたがその後は一応定期的に更新しています。ただモカさんに紹介していただいたmixiでの交流が「ウェブ」とは異なる面白さでそちらにちょっとエネルギーとられている部分あるかもしれません。文庫本もちょっと固そうな装丁になっていますが、単行本とは異なる凝縮さで面白いと思います。年表もきちんと巻末に収められていますので携帯しながら読むのには便利ですね。ただタイトルがいかにも「学術文庫~~」ですが…。いろいろ人生ありますが、それでもウェブでの更新もコミュニケーションも続けることができる…っていうのはやはりこのIT社会の良さですね===