2010年7月4日日曜日

ガラパゴス化する日本(講談社)

著者:吉川尚宏 出版社:講談社 発行年:2010年 本体価格:760円
 通信機器や会計基準など世界の環境変化のなかで独自の発達をとげた日本の「ガラパゴス化」が論じられる。157ページからの海運業の分析が興味深い。日本経済新聞社でも「商船三井」と「日本郵船」の経営戦略の違いが分析されていたが、コンテナを利用した荷姿の標準化(マルコム・マクリーンの発明によるという)による老舗の船舶会社と新興の船舶会社とで競争力に差がでにくくなったというくだりである。このコンテナ化で海運業者はオープン・アーキテクチャを作り上げ、コスト面での優位性を再構築した…というわけだが、標準化にあえてのっかっていくという方法による脱ガラパゴス化という戦略は当然ありうるだろう。携帯電話も早くオープンアーキテクチャ、標準化の世界になればもっと市場も世界に拡大すると思うのだが。ビジネス書のようでいて実は個人のライフスタイルにも応用できる部分がきわめて多い。日本でデビッドカードがあまり使われていない状況などの理由もよくわかる。

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