2010年7月27日火曜日

なるほど図解 IFRSのしくみ(中央経済社)

著者:あずさ監査法人IFRS本部 出版社:中央経済社 発行年:2009年 本体価格:1800円
 IFRSの手軽な入門書…のように一見みえて、実は中身を読むと形式こそ見開き構成だがかなり細かい会計処理にまで言及しており、入門書というよりは中級レベルの難易度。右側にテキスト、左側に図版という構成だが、最初はわりとやさしめの内容が、組み込みデリバティブのあたりから一気に難しくなる。日本は差金決済を重視してデリバティブを定義し、IFRSでは将来決済を重視するので現物決済でもデリバティブになりうる、てな説明は面白いが、それからさらに進んだ内容となると実務の読者だけしかついていけない世界へ。書き方も実務を意識した内容にどんどん変化していくので会計学を純粋に勉強しようと思っている読者にとっては敷居が高いかもしれない。内容が実務重視であればもっと仕訳問題や計算問題なども掲載されていてもいいかな、とは思うのだが…。書店にはこれと似た表紙で、逆にやさしすぎる入門書なども陳列されていたりするので、やはり電子商取引で本を購入するのは、立ち読みできないケースとかよっぽど前評判が高い本ということになるのかもしれない。

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