2010年7月18日日曜日

どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座(ディスカヴァー)

著者:小宮慶一 出版社:ディスカヴァー21 発行年:2009年 本体価格:1000円
 「あたりまえのことを ばかになって ちゃんとやる」という小宮氏が紹介されたフレーズが個人的には大好き。本体価格がやや高いのが難点だが、ディスカヴァーの新書シリーズには、ビジネス新書という個性があるので、本屋にいっても他の新書と差別化ができている。ただ簡単には手を出しにくい単価なので、どうしても著者中心に購入することになる。小宮慶一氏の新書であればまずはずれはない。チームワークと多様性を「切磋琢磨」という言葉にまとめあげ(和気藹々とは違うということは本書で解説)、顧客の視点にたった差別化がいかに重要か、価格と品質とサービスのどこに重点をおいて差別化するべきかといったテーマがわかりやすく語られる。内部環境よりも外部環境を重視し、過去と現在のマクロ情勢を自分なりに分析しておくことなど、内容的にはかなり高度なことをわかりやすく著述している。4Pの解説などはマーケティングの入門だが、それをいかに実務にいかしていくべきかという視点で有用。新規事業と既存事業のすみわけも個人的には納得。タイトルからすると「社長」のみが読者対象のようにみえて、なんらかの「組織体」や「部門」の方向性を考えるという視点であれば、普通のビジネスパーソンのほうがむしろ内容的には理解が深いかもしれない。

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