2009年2月22日日曜日

特上カバチ第7巻~第10巻(講談社)

原作:田島隆 漫画:東風孝広 出版社:講談社 発行年:2007年
 主人公が行政書士に合格してからを描く「カバチタレ2」としての「特上カバチ!!」シリーズ。第7巻からは遺産分割協議と取得時効がからむ法律問題に取り組む。平成2年の遺産分割協議の最高裁判例など受験生にとってもミニ知識として役立ちそうなエピソードが描写されているが、やはり「ナニワ金融道」の元スタッフだけに「きれいごと」だけでは済まさないリアルな描写が見事。当然弁護士のアドバイスをクライアントがあおぐ場面も出てくるのだが、あまり細かい案件になると弁護士は動かないか、着手金が高額になるケースがあるため、あえて広島を舞台に設置したこの漫画の醍醐味で合法的に行政書士が遺産分割協議書をめぐって対立、さらにクライアントの解決に動く。さらに第8巻からは離婚調停。これもかなりリアルに描写されており、家庭裁判所の調停申立書を提出するまでの細かな設定がさすがに見事。漫画でここまで具体的に描写されていると家庭裁判所に万が一いくことになっても調停申立書を書いて提出するまではなんとか行政書士に依頼しなくても読者には書けるようになるだろう。それにしてもこのシリーズ、法律や判例の改正も取り込んでなかなか見事なパート2シリーズになってきている。一般的に漫画のパート2はこけるといわれているが、「新ナニワ金融道」といい「特上カバチタレ!!」といい、見事な味わいのパート2シリーズになっていると思う。

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