2010年10月6日水曜日

フリーター、家を買う。(幻冬舎)

著者:有川 浩 出版社:幻冬舎 発行年:2009年 本体価格:1400円
いわゆる「ライトノベル」出身の作家によるわりと「ヘビー」な内容の成長小説。軍隊式のある会社に入社したものの3ヶ月で退社、その後アルバイト生活をおくっているうちに家族に変調が起きて…という内容だが、こういう展開の人生ってわりと多いはず。いわゆる第二新卒のほとんどは「自分の人生」や「目標」を探索している人多いはず。ただし日本の企業はこの本の中でも書かれているように第二新卒やフリーターにはかなり厳しい処遇をする。そこでどうやって新しい目標を見つけ出していくか…。この小説は「どうすればいいのか」という問いかけに対して一つの答えを呈示した。おそらくこの本から新しい目標設定を見出せた人もけっこう多いのではないかと思う。テレビ化されるみたいだが、「会社のハッタリ」というくだりは「なるほどな」と思った。もちろん実質的には実力社会なのだが、 世の中にはタテマエとホンネの両方が並存する。「ホンネ」だけで勝負するってのは実際にはありえないのだが、学生時代には「ホンネ」優先だから「タテマエ」に我慢なら~んっていう人もいるのかもしれないが、そこを「ハッタリ」とさらっと書き流すあたりがこの作家の鋭いところではないかと思う。やっぱり人生、根性第一だなと思わしてくれる勇気あふれるストーリー。

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