2010年10月12日火曜日

高校生からわかるイスラム世界(集英社)

著者:池上彰 出版社:集英社 発行年:2010年 本体価格:1365円
評価:☆☆☆☆☆
こういう本が書店に出回っているのは今の高校生にとって天の配剤だろう。私が高校生のころには難解な言葉やわかりにくい歴史的事件などは自分で図書館にいって専門書を調べないと、なかなかイメージを抱くことさえできなかった。だが図書館などに自ら行こうというのは億劫なので結局そのまま何もせずに卒業…という展開になる。この本ではイスラムにしぼってシーア派とスンニ派やオバマ大統領の計算、アフガニスタンという国の歴史、イラン・イラク戦争などを概括できる構成になっている。いずれも遠く離れた日本にとっても影響力が大きい事件ばかりで、知っておいたほうが知らないよりも明らかに外交問題、歴史問題などについて理解が深まることばかり。それが1365円で入手できるというのはお買い得というしかない。
ハリウッドでもイスラムを取り扱う映画が増えてきた(しかも一昔前の悪役設定ではない普通の市民としてのイスラム教徒)が、それだけ世界がイスラムに対して理解を深め、あるいは理解しようとしている証拠ではないかと思う。「わかりやすい説明」の池上彰氏の手腕が最大発揮されている書籍。

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