2010年10月25日月曜日

時計じかけのハリウッド映画(角川書店)

著者:芦刈いづみ、飯富崇生 出版社:角川書店 発行年:2008年 本体価格:760円 評価:☆☆☆
ハリウッドの映画のシナリオは「脚本学」にもとづいて計算されたものだった…。これまでにも物語についていろいろ書かれた本はあったが、テーマやキャラクター設定などがある程度定式化されていれば才能の有無にかかわらず着想のみで一定レベルの脚本が書けることになる。いや、そうでなければあれだけ大量のハリウッド映画の製作はやはり無理だともいえる。定式化された物語の文法から、それぞれオリジナルの発想が積みあがってさらにオリジナルの「物語」が生まれてくる…ということになる。ハリウッド脚本製作用の「ファイナルドラフト」なるソフトウェアまですでに制作されているというのは驚き。ただそこまでくるとやはり才能というのは時間設定やキャラクター設定のさらなる上の次元で発揮されるということになるだろう。ラストはやはり急速な展開だが、そうしたドラマツルギーってかつては脚本家の才能によるものだった。今では定式化された文法ということになるが、だとしたら前段での「仕掛け」はより巧妙なものにしなければならない。題材はスター・ウォーズや「リング」など。主人公を支えるメンターというキャラクター設定もかなり重要で興味深い。

0 件のコメント: