2010年10月12日火曜日

フェイク(角川書店)

著者:楡周平 出版社:角川書店 発行年:2007年 本体価格:667円
大学卒業後すぐに銀座の高級クラブに入店した主人公は、「フェイク」にまつわるビジネスに手を染める…。現在はやや大衆化してきた銀座だが2000年前後の銀座のシステムが興味深い。いわゆる「永久指名」という制度、銀座特有の「品」を保つために独自に編み出されいた指名制度なのだろう(ボトルを最初に入れさせたホステスが永久担当隣、その後の指名にかかわらず売上の定率が報酬として計上される制度)。26歳でママとなったもう一人の主人公が華を添える。チャンスをつかんで飛翔していこうとする20代前半の一種の青春小説か。ただまあ、実際にこの手の「話」が持ち込まれるとしたら、入社すぐの新人か、あるいは逆にベテランで実直な勤務状態の信用できる男かどっちかだろうな、と思った。新人であれば変な色には染まっていないので機密が漏れる心配もないが、その逆もまた大変になるしなあ…。一気に読める「コン・ゲーム小説」。

0 件のコメント: