2010年10月6日水曜日

ゼロ円ビジネスの罠(光文社)

著者:門倉貴史 出版社:光文社 発行年:2010年 本体価格:740円
評価:☆☆☆
「フリー」(NHK出版)がベストセラーとなり、初めてその本を読んだときには「なるほど」と思った。5パーセントの有料の消費者が残り95パーセントの無料消費者の分まで負担するというビジネスモデル、やや基盤が不安定な要素はあるものの「生命保険のちょうど逆」と考えることで腑に落ちる。この本では「フリー」の内容を受けてさらに具体的な事例を考察している。アナログ時代のタウンページやティッシュといったものも確かに「フリー」のビジネスモデルのプロトタイプだし、逆にこれまで無料だったサービスが有料制に移行する可能性も指摘されており、「フリー」よりもより具体的で近未来的な将来を予測している本だといえる。アンカリング、返報性の原則、保有効果、バンドワゴン効果といったミクロ経済学の用語もわかりやすく説明されているので、経済学が苦手な人にもとっつきやすい構図になっている。

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