2010年3月16日火曜日

タリバン(光文社)


著者:田中宇 出版社:光文社 発行年:2001年 本体価格:680円
 「タリバン」のこの新書を購入したのはもうかなり前だが、あまりに続くアフガニスタン戦争とその後の悲惨なアフガニスタン地域の状況になかなか読み進めないでいた。2001年に発行された本だが基本的な状況は2001年からほとんど変化がないといっていいだろう。もともとパキスタン(対インドとの抗争のため地理的に背後に控えるアフガニスタンを親パキスタン政権にしておく必要があった)とアメリカの支援を一時期受けていたタリバン。その後、反米・イスラム原理主義的方向へと舵を切り、それと同時にアメリカとは対決路線へ。この本を読むと中東の歴史に存在するオスマン=トルコの時代が、イスラム原理主義のバックボーンにあることが指摘されており、それもまた興味深い。著者がアムル語の遺跡を発見したくだりなどはさすがジャーナリストというほど客観的な文章で、しかも歴史の重さを感じさせてくれる名文。

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