2011年8月8日月曜日

ビジョナリーカンパニー③(日経BP)

著者:ジェームズ・C・コリンズ 出版社:日経BP 本体価格:2,200円 発行年:2010年7月26日
ビジョナリーカンパニーシリーズの第3弾。第1弾と第2弾では「進化」のプロセスを、そしてこの第3弾では、衰退の5原則を扱う。その第一段階は「成功に対する傲慢」。「これだけ売上高があるんだから、まあ大丈夫だろう」という傲岸さはやがて、規律なき拡大路線を生む。さらに若手人材の退職や売上高の減少などのリスクや問題の否認、売上高に影がでてきたところでそれまでの事業展開と関係ない一発逆転へ…。こういう傲岸さに始まる衰亡の原理、実はある企業で目の辺りにしている。衰亡の歴史は個人の部分でもあてはまるかもしれず、成功の事例ばかりがとりあげられる昨今、貴重な「衰退の歴史」を見れる本になっている。
本の造りとしては第1弾や第2弾と同じ四六判だが、天と地の余白が非常に読みやすい分、ページ数が非常に多い。活字もやや大きめだが、持ち運びにくいという意味では、余白と引き換えか。もう少しコンパクトな造りでも良かったのではないかという気もしないではない。翻訳の文章はやや硬く、ときには日本語から原文の英語を「類推」しないと意味がとれない部分もあり。




0 件のコメント: