2011年8月15日月曜日

読む管理会計「会社のウソの数字にだまされるな」(日経BP社)

著者:林 出版社:日経BP社 発行年:2009年 本体価格:1500円 
書店で並んでいた本だが発刊は2009年。入れ替わりの激しい書店の棚に2年も並んでいたとは考えにくいので、これはあらためて書店に営業した結果ではないかと思う。内容的には、難しいレベルの話を小説仕立てで展開しているので必ずしもやさしいとはいいがたい。総合原価計算の加工費を材料費基準で配賦して、材料と仕掛品の区別をどうつけるか…といったあたりが一つのポイントだが、加工費の材料費基準による配賦でまずつまづく読者がいて、さらに仕掛品と材料の区別というあたりで挫折する読者も多いのではないか。循環取引の例示も入っているが、日商簿記2級+アルファの知識がないとさっとは読めないだろう。ただ日商1級にこれから挑戦しようとする人には、加工費の配賦基準として何が妥当なのかなどを考えるのに有用ではないかと思う。タイトルは管理会計だが循環取引やたな卸しの手順などは会計学や監査論などにも通じるものがある。

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