著者:菊原智明 出版社:光文社 発行年:2011年 本体価格:740円
著者は激務である住宅営業を7年間つとめた経営コンサルタント。勤務時代のエピソードが基礎になっていると思うが、現実味を帯びた上司像がいくつか例示され、それについてのコメントがふされている。ま、通常は「部下」が「上司」への対策として読むものだろうが、逆に「上司」の側が先に読んでおいて「自己研鑽」を積んでおく…というのが実は効率的。教育評論の本を親が読んでから子供に実践するよりも、「子育ての注意点」などについては直接子供に読ませたほうが時間的に効率化がはかれるのと同じである。で、「普通の人」が上司になるとなぜ「イヤなやつ」になってしまうのか…という考察が面白い。実際には、管理職は「部」「課」といった組織全体に責任をもってしまうので9割がたはどうしても「イヤ」な人間にならざるをえない構図がある…ということなのだが、そこを個人の努力でいかにクリアしていくべきか、という論点が次に呈示されるべき。残念ながら、「仕組み」そのものへの対策はこの本では呈示されないのだが、おそらく個々の「イヤな人間」の例示から、もっと上の次元で取り組むのが妥当…といった解決策になるのではないか。部や課全体のモチベーションを高めようと思ったら、根性論やらタテマエ論よりもまず考えなければならない「仕組み」がある…という考え方。意外にこれ、難しい。ただし、自分自身に対しての研鑽と「仕組み」についての疑問を常に抱いていないと、おそらく今の日本の会社では、世代がいれかわっても同じような「いやな上司」が大量生産されつづけていくだろう。
著者は激務である住宅営業を7年間つとめた経営コンサルタント。勤務時代のエピソードが基礎になっていると思うが、現実味を帯びた上司像がいくつか例示され、それについてのコメントがふされている。ま、通常は「部下」が「上司」への対策として読むものだろうが、逆に「上司」の側が先に読んでおいて「自己研鑽」を積んでおく…というのが実は効率的。教育評論の本を親が読んでから子供に実践するよりも、「子育ての注意点」などについては直接子供に読ませたほうが時間的に効率化がはかれるのと同じである。で、「普通の人」が上司になるとなぜ「イヤなやつ」になってしまうのか…という考察が面白い。実際には、管理職は「部」「課」といった組織全体に責任をもってしまうので9割がたはどうしても「イヤ」な人間にならざるをえない構図がある…ということなのだが、そこを個人の努力でいかにクリアしていくべきか、という論点が次に呈示されるべき。残念ながら、「仕組み」そのものへの対策はこの本では呈示されないのだが、おそらく個々の「イヤな人間」の例示から、もっと上の次元で取り組むのが妥当…といった解決策になるのではないか。部や課全体のモチベーションを高めようと思ったら、根性論やらタテマエ論よりもまず考えなければならない「仕組み」がある…という考え方。意外にこれ、難しい。ただし、自分自身に対しての研鑽と「仕組み」についての疑問を常に抱いていないと、おそらく今の日本の会社では、世代がいれかわっても同じような「いやな上司」が大量生産されつづけていくだろう。
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