2011年8月28日日曜日

映画の構造分析(晶文社)

著者:内田樹 出版社:晶文社 発行年:2003年 本体価格:1600円
本屋の棚で購入したのだが、文庫本がすでに2011年4月に文芸春秋から発刊されている。もし単行本でも文庫本でも気にしないという方は文庫本が入手しやすいかも。内容は現代思想を映画を題材に学習しよう…という趣旨で構成されているが、筆者自身が映画を楽しんでしまっており、それが読者に伝わるといういい循環が生まれる形に。取り上げられている題材は「エイリアン」「大脱走」「裏窓」など。いわゆる「芸術作品」ではないものの、「大脱走」以外は個人的にも楽しめる映画ばかり。「物語と構造」「、ロラン・バルト、物語の解釈などを映画論を楽しめながら習得できる。この著者の「寝ながら学べる構造主義」も面白い試みだったが、この映画論も非常に面白い。ポストモダンは一時期「やりすぎ」だったが、かといってやはりそのままやりすごしてしまう訳にも行かない。現代国語などではどうしても「近代的」な読み方をしなければならないが、「近代」に飽きてしまったときには、この本、入門書としては現時点では最適。

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