2011年7月11日月曜日

野村の見立て(東邦出版)

著者:野村克也 出版社:東邦出版 発行年:2011年 本体価格:1143円
プロ野球ファンのなかには「野村克也」と聞くだけで拒否反応を示す人もいるが、その一方で野村克也氏の講演やDVD、著書などに興味を示すファンも多い。mixiの野村克也氏のコミュニティは1万人を超えているが、これはかなりの人気といえる。この本は過去のエピソードというよりも現在活躍中の現役の投手や選手についての「見立て」を紹介したものだが、非常に辛らつな内容となっている。「状況を読む」「察知する」という言葉自体は非常にさらっと書かれているのだが、商品開発でいえば、時代のムードを読むということで各種の統計調査や統計処理がどうしても必須でさらに、それを読み解く感性も必要になる。116ページにはソフトバンクが短期決戦に弱い理由を打線の散発性にもとめているがなるほどと思った。一番打者と二番打者とでは役割が違う。それぞれの打順の打者が次を考えて打席にたつケースとそうでないケースとでは短期決戦では大きな差がでてくるだろう。チームの編成にあたっては野村氏は「未来創造能力」や「無形の力」を重視している。無形の力とはいいかえれば数字にはでてこない人間性としての魅力やそのほかの要素だが、これは定式化できないだけに難しい。ただデジタルに置き換えられる部分はデータで、それ以外の要素は芸術作品やそのほかの活動でしか得られない別の要素で…ということではあるまいか。

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