2011年7月15日金曜日

財務会計入門 第3版(中央経済社)

著者:田中健二 出版社:中央経済社 発行年:2011年 本体価格:2600円
一時期過熱気味だった簿記会計ブームも終焉を迎え、適正規模で適正な範囲内で真面目に取り組む社会人や学生だけが残った…という印象がある。というわけで入門書関係の書籍も値上げが相次ぎ、「入門書」と銘打ちながら3000円を超える書籍も珍しくなくなったが、この本は第1版からこの第3版に到るまで良心的な価格設定とわかりやすい説明。本当の入門者に対しては本体価格も敷居を低くするべきだし、内容面も「難しい」ところは意図的に省略すべきだろう。その点、退職給付会計については入り口の紹介で「あとは専門書にあたってください」としている著者の真摯な姿勢は正しい。
会社に向かう途中で本を広げながら読み進め、第2版との違いをかみしめていく。すぐさま理解できる内容ではないものの改訂版を読み返しているうちに、「意図」はやはり脳裏にしみこんでくる。理解のためには反復演習は不可欠だが、喫茶店でデリバティブの問題演習などができない社会人にとっては、繰り返し読み返し、違いを認識することで新たな会計基準の方向性を見定めることができる。おそらく第4版が出版されたらまた購入して読むだろう。A5判とやや持ち歩きにくい判ではあるのだが、活字は大きく余白もとってある。書き込みもできるので、メモなどの準備がいらないのも嬉しい。

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