2011年1月15日土曜日

「紫の牛」を売れ!(ダイヤモンド社)

著者:セス・ゴーディン 出版社:ダイヤモンド社 発行年:2004年 本体価格:1400円 評価:☆☆☆☆☆
タイトルがそもそも奇抜だが実はマーケティングの本。しかも日本では現在入手がなかなか難しいが、MBAなどでは指定テキストにもなっていたりする。「弱小ブランドにはだれも興味がない」「目立たないのは存在しないのと同じ」「宣伝は特定の人のためにする」といった定番のセオリーから独特の論理まで幅広く展開。コトラーのマーケティングが①市場をセグメンテーションに分けて②特定のセグメントにマーケティング・ミックスをかけるという2段階で構成されているものだとすると、①により重点がかかっている本といえようか。人が話題にしそうなものを売れというのはある意味では水島ヒロさんの最近の本などが相当するだろうか。話題にならなければ中身で勝負するといっても時間と宣伝広告費がかかる。まずは話題先行で本をうっちゃうっていうのも一つの戦略ではある…。特に著者はアーリーアダプターといわれる先駆消費者を重視しているが、マスを相手にするにしても一番重要な消費者層はどこか、といえばやはり先駆消費者。iphoneの売れ行きなどもこのアーリーアダプターにターゲットを合わせたのが正解ではなかったろうか。タイトルそのものは奇抜だが読めば読むほど内容が深くなる妙な本。ただし現在では入手そのものが難しい情勢になっている模様。

0 件のコメント: