2010年5月30日日曜日

残念な人の思考法(日本経済新聞出版社)

著者:山崎将志 出版社:日本経済新聞出版社 発行年:2010年 本体価格:850円
 日経プレミアシリーズから出版された新刊。「塗り絵」とセグメンテーションを対比したり、エンプロイアビリティの説明やアウディのブランドイメージなどの説明が面白い。どちらかというと大きなモデルを示すというよりも、詳細設計をするのに向いている内容だと思った。「機能」で競争してはいけないという面白い指摘もあるので価格分の内容はあると思う。ただ日経新書とこのプレミアシリーズ、なんだかよく区別がつかないので、単行本にするような内容を新書で出版した…ということなのか、あるいは内容が高度なのかどういう基準で商品群を分類しているのかが不明だ。シリーズの全体像が不明だと個別の商品のイメージも薄くなる。PHP新書から出ていてもおかしくはない内容というあたりが、シリーズ全体の特徴をなくし、ひいては個別の書籍の印象も薄くする。
 新書サイズのいろいろなシリーズが出ている中、「まとまりのなさ」ではこの「日経プレミアシリーズ」のちょっと大き目の新書サイズこそが、「考え方」と「前提条件」がはっきりしない。もう少し書棚に並べた印象や読者が選択しやすいラインナップを編集サイドで考えてほしいものだが…

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