2010年5月24日月曜日

まず、ルールを破れ(日本経済新聞社)

著者:マーカス・バッキンガム&カート・コフマン 出版社:日本経済新聞社 発行年:2000年 本体価格:1600円 評価:☆☆☆☆
 なぜこの本が「優れたリーダーシップ論」として賞賛されているのか購入した当初はまったくわからなかった。「強みをいかせ」「優位とはなにか」という問いかけは自明の理だと思っていたからでもある。また状況に応じて理想の指導者像が変化するのも自分自身では当然のことだと思っていた。そして年数が経過し、今あらためて読み直してみるとやはり多くの人がこの本を賞賛する理由のいくつかがわかるような気がする。一定の規律もしくは規範はあるわけだが、その規範枠のなかで相手の特性を見抜き、その強みを最大化しようとするリーダーは「ルール」(公式)に縛られない。自由奔放に組織を活性化しようとするその手法こそがこの本のテーマであり、そうすると、「そうしたカンガエ」だけを抜き出して応用していくのは読者それぞれがおかれた状況そのものによる。タイトルだけみると「ああ、よくある常識打破ね」と早合点しそうだが、実際には「自由闊達」に強みを引き出す手法をなるべく一般化していこうという著者の努力がタイトルになっていることがわかる。名著だとは思うが、しかし完全明快な結論には当然ならない。結論はけっきょく読者自身がそれぞれ現実の場面で見出していくことになるのだろう。

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