2010年4月5日月曜日

警察庁から来た男(角川春樹事務所)

著者:佐々木譲 出版社:角川春樹事務所 発行年:2008年 本体価格:629円
 北海道警シリーズ第2弾、というわけで「警察庁から来た男」藤川警視正が登場。ちょっと冷たい感じのする東大法学部卒の30代キャリアという設定。監察官として北海道県警本部を「探索」していくが、謎がとけていくきっかけは「萌え系喫茶」のボッタクリにあって殺害された一人の男だった…。フォーマル組織とインフォーマル組織の二元構造で会社は動く…というのがレスリスバーガーの経営学だったように記憶している。表向きの組織構造だけでは組織そのものは分析できない、ということで、それまでの機会人間的な組織分析の流れに一石を投じた経営学の研究だった。フォーディズムから一歩先をでた経営学の系譜からすると、「謎解き」は最初から自明なのだが、そうしたインフォーマルな組織が実際にはどう管理されているのかは謎だ。表向きの行政組織以外にも実際には同じ政治的信条、宗教的心情などいろいろ陰にはあるはずなのだが…。ということで、こういう本が売れれば売れるほど頭痛の種が増えるのが実際の北海道県警ではないかと推定。おそらく当時のトップはもう実際には入れ替わっているはずだが、このシリーズが飛ぶように売れているかぎりは「ああ、あの裏金事件の…」と言われるのはちとかわいそう。ただ映画化も間近にせまっているうえこのシリーズさらに続編がまたでてきそうな勢い…

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