2010年4月11日日曜日

IFRS財務会計入門(中央経済社)


著者:広瀬義州 出版社:中央経済社 発行年:2010年 本体価格:2800円 評価:☆☆☆☆☆
 2010年4月現在でもっとも最新の情報を一括して得られる情報源がこの本。雑誌やムックなどで散発的に報道されるIFRS(国債財務報告会計基準)と異なり、A級の研究者が体系的に解説してくれているので、理解が早くなり、さらにトピカルな話題をその体系に接木していくことができる。現状の変化の早さからかんがみると今後「アニュアルレポート」のように年度ごとに改訂版が必要になるかもしれないが、価格も2800円と最近高騰を続ける会計学の専門書のなかでは良心的。活字も読みやすく、また2色刷りとなっているので通学・通勤時にも読みやすいだろう。ただし判型がA5サイズとちょっと大きめで、読みやすさはますが運びやすさにはやや問題もある。一応仕訳や転記などの解説も掲載されているので、理屈では簿記会計をまったく知らない人でも入門書として利用できるが、実際には実務経験を一定積み重ねた人か、日商1級を取得している人でないと難しい部分もあるかもしれない。引用文献やウェブのURLがこまめに記載されているので興味がある部分については参考文献や該当のウェブページを見ることもできる。貸借対照表・損益計算書から包括利益計算書・財政状態変動計算書の時代へ移り変わる(もしくは両者が並存する)時代がもう目の前。会計学ブームはまだ一定程度持続しているが、さらに知識を磨きたいひとにはぜひオススメの内容。

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