2010年4月5日月曜日

笑う警官(角川春樹事務所)

著者:佐々木譲 出版社:角川春樹事務所 発行年:2007年 本体価格:686円
 なんと文庫版が2007年5月18日第1刷で、2009年7月6日で第40刷。で、内容ももちろん面白い。北海道警察本部を舞台にした殺人事件の捜査だが、その背後には「裏金」問題が横たわる。44歳の一匹狼的な刑事と。各部署の有志たちが自主的な捜査機関をもうけてタイムリミット内での「捜査」に走る…。「裏金」問題は、実際に発生した事件であることはつとに有名だが、それに対して「組織防衛」と「真実への追及」という二律背反の気持ちが現場にはあったはず。案外、この本を読んで「すっきりした」という北海道警察の警官も多いのではないだろうか。
 地方自治法100条に規定された100条委員会の権力の重さも伝わってくるが、いったんひとつの方向に動き始めたら方向転換はしにくい巨大ジャンボ機のような組織の弱さと、不安定ではあるものの機動性のある小さなチームの対比も面白い。運転免許証の服役期間の間は効力が失効しないなどというマメ知識も身についたりして、細かいところまで非常によくできているエンターテイメント。

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