2010年4月11日日曜日

シャッターアイランド(早川書房)

著者:デニス・ルヘイン 出版社:早川書房 発行年:2006年 本体価格:820円
 これからマーチン・スコセッシ監督による映画化作品が公開予定ということで2006年発行の文庫本ながら、書店では平積み状態。ただし映画のストーリーの紹介やこの本の「あおり文句」を期待して映画館にいくとおそらく失望しそうな予感も…。「フライト・プラン」でやはり同じような失望を味わったのだが、完全密室モノミステリーの場合、「フォーガットン」のように「宇宙人による多数派工作」のようなオチにするか、あるいはミッキー・ローク主演の「エンゼル・ハート」のようなオチにするか…というあたりに集約されてしまうが、この本、おそらく途中で大多数の読者は「オチ」に気がついてしまう。ただその後は「正気とは何か」といったような哲学的香りでなんとなく最後まで読んでしまうが、映画館でマーチン・スコセッシがそのあたりをどう扱っているのかが注目される(もっともストーリーってあんまりスコセッシは気にしていないのかもしれないが…)。時代設定は1950年代でちょうどマッカーシズムの嵐が吹き荒れている時代。時代背景とちょうどこの島を訪れる「連邦保安官」の心の傷が重なり合う…。

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