2009年10月5日月曜日

サクッと受かる日商1級1巻~3巻(ネットスクール出版)

著者:福嶋三千代 出版社:ネットスクール出版 発行:2008年12月
2008年12月発売ということで2009年1月に公表された後入先出法の出題は2009年度はやめるという案は取り入れられていない。また部分時価評価法にもかなりページが割かれて入るが,ある程度,勉強を進めた人間が減損会計など新会計基準も含めてトータルに見直すにはいいテキストではないかと思う。逆に初心者がいきなり読むと,2級の復習に相当にページが割かれていることから,1級の出題範囲や本質を逆に見失ってしまう可能性もでてくるだろう。補助教材としては「財務会計講義第10版」が一番適切ではないかと思う。2010年4月以降から強制適用される棚卸資産会計基準からすると,個別法・先入先出法・平均原価法・売価還元法のみとなる。また,2010年4月からは親会社説を基本とする日本の連結財務諸表は部分時価評価法を廃止する〔経済的単一説にさらに近づいたことになる〕。ただ全面的時価評価法だと合併時の会計処理と整合性を持つので,そうした意味合いの制度改変はあるかもしれない。いずれにせよこれから会計処理方法はよりシンプルになっていくので現在はこの3分冊構成も2分冊程度で十分な時代がくるだろう。

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