2009年10月18日日曜日

医療保険なんていりません!(洋泉社)

著者:萩原博子 出版社:洋泉社 発行年:2009年 評価:☆☆☆☆☆
 生命保険という金融商品には興味は多少あったものの個人的にはかなり「うさんくさい」システムというイメージがぬぐえず…。一般には職場にまわってきた生命保険の営業におしきられるというパターンが多いと思うが、私の場合にはそういう営業もあまり気にならず…。死亡保険は何か金銭的に困ることがありそうなときには入る必要性もあるかもしれないが、子供などが成人に達している場合などにはほとんど意味をなさないだろうし、養老保険など貯蓄性の生命保険よりもやはり銀行の定期預金のほうが安全でしかも利率も国債よりもちょっと下回る程度。今でも入る必要性はまったく感じない。
 しかし「医療保険」だけは関心があり、特に身近なところでいろいろな病気をわずらう方々がでてくると、治療はしないといけないし…とあれこれ考えているところにこの本に出会った。
 結論からすると著者は医療保険の必要性をぜんぜん認めていないわけだが、なぜゆえに認めていないのかを実際の生命保険の約款や利率、掛け金などでシミュレーションしてくれるほか、給付される要件についてもしっかり検証してくれている。「医療保険だけは入っておこうかな」という不安も公的負担医療制度の詳細をこの本で知るとあんまり意味ないのかも、と再考することに。
 こうした批判があってこその金融商品のサービスの高度化が図られる。生命保険会社はむしろ不払いやリストラなどのコストダウンよりも、生保の理念である相互扶助の精神に立ち返ってもらいたいもの。

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