2009年10月17日土曜日

14歳からの世界金融危機(マガジンハウス)

著者:池上彰 出版社:マガジンハウス 発行年:2009年 評価:☆☆☆☆☆
 サブプライムの信用危機からオバマ大統領就任までの経済の流れをわかりやすく解説。中学2年生以上の読者を想定しているという趣旨だと思うが、社会人が読んでも間違いなくわかりやすいし面白い。これまで自分の中では曖昧にしてきたアメリカの商業銀行と投資銀行の違いや自動車産業の裾野の広さ、そして日本の自動車産業が受けたダメージやサブプライムローンの波及のプロセスなどがさっとわかるように構成されている。
 複雑な事象を一本の筋立てで、しかも字数制限もあったであろうなかでこれだけコンパクトにわかりやすく説明できている本はめったにない。たいていどこかはしょられていたり、あるいは「たとえ話」でやや不正確ではあるけれど「イメージでわからせる」といった手法も用いずに正統派の解説書となっている。さすが元NHKの報道記者という感想。

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