2009年9月20日日曜日

やってみたら、こうだった(宝島社)

著者:本橋信宏 出版社:宝島社 発行年:2009年 評価:☆☆☆☆
 この著者の過去の作品には、睡眠薬そのほかにはまりつづけて泥沼の日々から脱出していく生活をリアルにつづった名著がある。そのほかかつての革命的マルクス主義者たちとのインタビュー集などもあるのだが、この「体験型ルポ」はもっとも得意な分野ではないかと一読者として推定している。最初はよくある「夕刊紙3行広告」の実際体験なのだが、だんだんばかばかしいところにテーマが移り、「裏ビデオ」や「通販グッズ」などをこりもせずに何度も何度も何度も取り寄せてはその商品について詳しく説明をしてくれる。時代的には2003年以前の風俗情報ということになるが、アメリカのウェブからいろいろなアイテムが日本でもダウンロードできる現在、状況はかなり変化しただろう。だが2003年以前の日本で何に高い価値があり、何に低い価値を置いていたのかといった風俗情報について詳しく知ることができる1級資料となっている。「広告サクラ」についても「3割」といった具体的数値データが記述されているところも素晴らしい。

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