2008年11月30日日曜日

クチコミはこうしてつくられる(日本経済新聞出版社)

著者:エマニュエル・ローゼン 翻訳:濱岡豊 出版社:日本経済新聞出版社 発行年:2002年 評価:☆☆☆☆
 商品もしくは製品に関する消費者のクチコミなどの情報を総称してbuzzといい、このbuzzを利用したバズ・マーケティングをいかに構築していくか、といった視点でわかりやすく説明がされている。このバズ・マーケティングに向いている製品は「会話型製品」でしかももとの製品の品質は当然よくなくてはならないという前提はある。悪い製品であれば悪いバズが構築され売上はさらに落ちるということも述べられているので、必ずしもすべての商品にすべからくあてはまる方法論ではない。「友達紹介制度」や「情報を徐々に公開」といった方法はすべてこのバズマーケティングの観点からみると合理的に説明できるし、特にハリウッドの映画宣伝などはこのクチコミ効果を相当意識した方法をとっているようだ。「弱い結びつきは驚くほど強い」など、思いもかけぬ指摘が新鮮だし、ネットワークがこれだけ発達してくると、「感情的な反応」「希少性」といった概念がさらに重要になってくる。あくまで原理論なのですでにケーススタディとしてはふさわしくない事例も含まれているが、それでもなお、非常に面白い内容だ。

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