2008年11月15日土曜日

超「超」整理法(講談社)

著者:野口悠紀雄 出版社:講談社 発行年:2008年
「分類するな、検索せよ」とテーマを打ち出したかつての名作「超整理法」の21世紀バージョンはgmailを利用したデータの保存と検索だ。画像などはすべてpdfファイルとして保存し、そのまま自分のアカウントに添付して送信するだけ。もちろん情報機密の問題点は残るが、利用価値の大きさと情報漏洩のリスクを比較してもメリットのほうが大きいとして野口先生の「検索重視」のデータ整理方法が述べられている。
 かつての「超整理法」によるA4サイズ標準の書類保存ともリンクさせればスキャナでそのまま保存してpdfファイルで送信すればすべての書類やメモなども保存されるので、パソコンにA4サイズpdfファイル変換機能がついたプリンタさえあれば、だれでも情報の蓄積・加工・保存が楽に設定できる。そのノウハウを公開するとともに、「問題設定」「仮説構築」「モデル活用」の重要性を説く。データの検索そのものがだれにでもできるようになれば、次の時代に重要性をもつのはこの3つの能力というわけだ。けっして超整理手帳の意味がなくなるということではなく、むしろ問題設定を書き残してgmailに送信する「問題」をいかにメモとして保存するか、活用するべきかというところに利用方法の力点が変化してきたといえるだろう。to doリストの重要性はパソコンよりも紙のほうが便利なので変わらず、メモの保存方法がさらに変化してきたということになる。メモは個人的には転記してさらに加工・整理して初めて価値がでてくると考えているが、加工・整理はまずgmailを利用して保存してからでもいいわけだ。さらにその後思わぬ形で知識と知識がgmailの中でリンクする可能性も否定できないわけで。mail機能はもちろんすでにデータ保存として利用している人間も多数表れてきた中、ますます紙媒体としてはA4サイズへの移動が始まるとともに、今度は使い勝手のいいスキャナをもっと探しにいかないと…

0 件のコメント: