2008年10月14日火曜日

フリーランスのジタバタな舞台裏(幻冬舎)

著者:きたみりゅうじ 出版社:幻冬舎 発行年:2007年
 ウェブサイトでの連載をきっかけにSEからフリーのライターへと転職を果たした筆者。会社に対する帰属意識がもともと薄かったという著述があるがSEとしてはやはりそれなりの技術を有していたのは間違いなく、ネットワーク関係の用語集などでもスマッシュヒットを飛ばしている。SEの生態などを面白おかしく、さらに悲哀をまじえてエッセイにした書籍もいずれも名作揃いでSEに限定されず、一般の会社員が読んでも勉強になること多し。この本も最初はわりと面白おかしく…と展開していくが、最後のあたりで会社員とフリーとの微妙なすれ違いなども著述されていて、そのあたりは妙に生々しい著述が印象的。さらに人脈を通じてどんどこどんどこ仕事が拡大していく様子や、書き直しを続けていくうちに「あ、これからな」というイメージを体感していくあたりが面白い。何かを創造していくという作業をそのまま文章にしたような感じがAHA体験みたいにつづられており、オリジナルな作品を作る、あるいは造りたいという人にも参考になる書籍だろう。「造りこみ」「修正作業」のあたりも面白いし…とはいえこの著者はまだ現在フリーのライターとして現実と格闘中。さらにこの続編も無事に出版してくれればよいが…。

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