2008年8月16日土曜日

夢をかなえるゾウ(飛鳥新社)

著者:水野敬也 出版社:飛鳥新社 発行年:2007年 評価:☆☆☆
 2007年に発売されて現在な,なんと130万部を超える売上高,さらにはドラマ化も決定しているという不思議なビジネス書籍(というか小説というべきか…〉。インドの「金持ちの神様」ガネーシャが一応主役ということになるが,オシャカ様なども登場してきてお笑いが多数散りばめられている。個人的には非常に大受けしたギャグばかりだったが,130万人の読者のうちはたして本当に笑えたのは何人いたのか…。「他人の中に足りない部分をみつけてそこに愛を注いでやる」というきわめて「当たり前」で,しかしなかなか実行できないことをずっと小説仕立てで著述していく。「種明かし」というわけではないだろうが巻末の参考書籍一覧などは読み終わったあと非常に興味深いものになるだろう。実行そのものが大事,ということを著者が最重視しているせいか,印税の一部も福祉団体そのほかに寄付されるとのことだ。以前,新宿の紀伊国屋書店新宿南館にわたる廊下を東急ハンズから歩いていると,場内整理をしている様子にでくわした。紀伊国屋書店でのサイン会は珍しくはないが,たまたまその行列の先でサイン会を開いていたのがこの著者の水野敬也氏だった。あの行列の長さからいって,この本のファンはかなり多いし,実際に本の内容を実行に移した人もかなりいるのだろう。1分100円の「ホメ殺し屋」から文筆業に転じた水野敬也氏。あたりまえではなかなか思いつかないアイデアを実際に実行して自分自身でその「成果」を証明してみせるあたりが非凡。

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