2011年5月6日金曜日

震災で日本経済はどうなるか(日本経済新聞出版社)

著者:藤田勉 出版社:日本経済新聞出版社 発行年:2011年 本体価格:1000円
3月中旬締め切りだったという「緊急出版」。よくぞ短時間でここまで印刷・製本ができたものだと思う。140ページたらずとやや薄いわりには価格は割高だが、一種の手間賃と考えれば安いかもしれない。逆に言うと5月や6月にはもっと最新のデータや審議会や行政の対応を含めた予測もでてくるので勝負は出版した2011年4月27日から1~2ヶ月だろうか。著者は被害の全体像(損害額の推定)、企業の利益の押し下げ割合、電力不足の期間、自動車業界への影響、原子力政策の変換、復興需要の規模、長期金利、世界の景気、財政危機の有無、為替相場についての見通しを著述している。ただし、それは74ページまでで、それ以降の第3章は緊急出版というよりも長期的な社会論なので、実際には第1章と第2章が当面の見通しということになる。ただそれでも損害の推定方法や内閣府の調査など貴重な情報が述べられているのでこの書籍の意義はある。

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